ご先祖様の恩を感じ、先祖供養・お墓参りをしましょう
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◎法事、法要の基本 ◎併修/合斎 (へいしゅう/ごうさい・がっさい) ◎弔い上げ ◎法事の案内状の基本 ◎追悼(追善)法要 ◎年忌法要 |
◎祥月命日 ◎祥月命日と年忌法要 ◎月命日、祥月命日の供養 ◎祥月命日と弔い上げ ◎香典袋 表書きの種類 ◎お盆の行事 ◎初盆、新盆の法事、法要 |
法事、法要の基本
法事は命日の日に行われるのが基本ですが、その日が平日など参列しにくい場合は、その前の休日などに繰り上げて行われる事が多いです。逆に本来の法要の日取りより後にすることは避けた方が良いとされています。しかし、どうしても日程が合わない場合は菩提寺と相談してみることをおすすめします。
法事は一般的に法要(故人を弔う儀式)とお斎(会食)からなります。したがって、法事を行うにあたっては法要を行う場所と食事会場を手配する必要があります。
法要を自宅や寺で行い、その後ホテルやレストランへ移動するケースも多く、納骨式を法要と同時に行う場合は霊園内に法要と食事スペースがあればそこを利用することもできます。
※法要は僧侶にお経を上げてもらう追善供養そのものを指し、法事は法要とその後のお斎(会食)なども含めた行事全体を指します。
■亡くなってからの日数や年数の数え方と法事・法要の名称
法事・法要は亡くなった人を追善・供養するための儀式であり、故人を偲び追悼する節目としての意味や役割もあります。
亡くなってからの日数の数え方は、百箇日を境目にして変わります。
百か日までの追悼法要は、亡くなった日を含めて数えます。
(例えば49日法要は、亡くなった日を1日目、翌日を2日目・・と数えますので、亡くなった日の前日と同じ曜日となります。法要案内時にめや目安としてください)
また、一周忌だけは満1年目におこないますが、それ以降の一年ごとの年忌法要は年数-1年(年数マイナス1年)で行ないます。
ちなみに回忌とは、祥月命日(=しょうつきめいにち)つまり毎年の、亡くなった日と同じ月の同じ日をさす言葉です。2年目の回忌は三回忌、6年目の回忌は七回忌となります。
四十九日法要や、一周忌などの法事(法要)には、身内以外にも、案内状を出します
(法事には、身内以外にも案内状を出すのが一般的です。七回忌、十三回忌以降の年忌法要は身内だけで行なう場合も多くなって来ています)。
法事・法要の日程を決める際、平日にあたる場合は、直前の土日に行なわれる場合が多いようです。
なお、初盆の法要は忌明け後に初めて迎えるお盆に行われます。亡くなってから間もない時期(四十九日が済んでいない時期)にお盆を迎えても、初盆の法事・法要は行いません。次の年のお盆に初盆の法要を行うことになります。
併修/合斎(へいしゅう/ごうさい・がっさい)
例えば、七回忌と二十三回忌で、別々のかたの年期法要が同じ年に行われる場合、主催者・参列者の負担を軽減するため、2つの(場合によっては2つ以上の)法要を一緒に行うことをさします。(2年続けて年忌法要がある場合なども一緒に行われる場合もあります)
※年忌法要が重なった場合でも一周忌までの法要は故人単独で行うのが望ましいとされる場合が多いです。
そのため合斎で法要が営まれるケースは、三回忌以降の回忌法要との組み合わせが一般的といえます。(三回忌も単独の方が良いという考え方もあります)
特に親類同士で同じお寺様にお世話になっている場合は多用される方法です。
また、合斎が行われる場合は先に来る年忌法要に合わせた時期に回忌の若いほうから執り行うのが良いとされています。
[併修ができるのは七回忌から]
併修は一般的に七回忌以降であれば行っても良いとされています。
逆に、三回忌までは故人一人のために法要を執り行ったほうが良いとされているため、どうしても三回忌以前で併修を望む場合は菩提寺に相談してみる必要があります。
[併修の日程の決め方]
併修の日程の決め方は二つあります。
その年の命日が早い方に合わせるか後に亡くなった方の命日に合わせるかのいずれかです。
日程に関しては、これも菩提寺と相談して決める必要があります。
[併修のお布施]
二人分の法要を一度に行うにあたって、お布施にはいくら包めばいいのでしょうか。
これは、参列する人の香典は一回分で、お寺も2倍の読経をするわけではないので、お布施に包む額も1.5~2人分の額で良いでしょう。
[併修の案内状]
併修をする際には、案内状に故人のそれぞれの名前を明記し併修であることを示しておきましょう。もちろん、七回忌以降ですので身内でやる場合には案内状は不要です。
※上記は一般的な併修の原則であり、菩提寺の考えによります。
場合によっては原則通りでもダメな場合もあれば、違う年であっても併修を了承してくれる場合もあります。
併修を考えている際は、まずは菩提寺の住職と相談してみましょう。
弔い上げ
多くの場合、故人の年忌法要は最後の年忌である弔い上げをもって、先祖として合祀されます。弔い上げとする年忌法要は、三十三回忌法要が一般的ですが、五十回忌法要を弔い上げとする地域もあります。
法事の案内状の基本
■案内状・引き出物を用意する。家族と親戚だけで行う場合は特に案内状を出す必要はありませんが、一般会葬者も参列する場合は案内状を作成する必要があります。人数を把握しておきたい場合は返信用はがきを同封して出欠の確認ができるようにしておきます。( 参考:法事・法要の案内状)
人数が把握できたら引き出物の用意をしておきます。金額の相場は2,000~5,000円程度です。
一般に四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と続いていきますが、徐々に規模を小さくしてきます。
法事に呼ぶ人の範囲は故人との付き合いを中心に決めていきますが、これも法事を重ねるたびに範囲を狭めていきます。呼ぶ範囲は施主の考え次第なのでこれといった決まりはありませんが、一般に三回忌以降は徐々に範囲を狭めていきます。
服装も三回忌を目安に黒スーツ黒ネクタイから、ダークグレーなどに移っていっても問題ないとされています。「平服でお越しください」と書かれている場合もカジュアルすぎる服装ではなく、あくまでも地味なスーツなどを選ぶようにします。(もちろん、施主や地域の考えで全くの普段着で来てくださいという意味であれば、施主の考えにあった服装にしましょう。)
■年忌法要の案内の出し方
忌明けの法要後は、命日に年忌法要を営みます。命日が平日などで都合がつかない場合は、命日より前の日に繰り上げて行います。
法要を行うときは案内状を出して出欠席の返事をもらうようにします。ある程度余裕を持たせるために遅くとも二週間前には届くようにしなければなりません。
案内状は封書で二重封筒は避けます。返事が欲しい場合は返信用はがきを同封します。
最近では略式で往復はがきが使われることも増えてきています。
■案内状の内容
案内状では時効の挨拶や相手の健勝を伺う挨拶など、前文を省略しません。
主文では、法事の案内の必要事項を簡潔に記します。
・「誰」の「何回忌」か ・日時・場所 ・お斎(会食)の有無 ・返事の期日
■案内状を出すのは三回忌くらいまで
法事は年を進むごとに小規模にしていきます。親族以外の友人・知人を招待するのは、三回忌くらいを目安に、それ以後は近親者のみになるので案内状を出す必要もありません。
■法事の案内状の例文
※縦書を想定しています。
謹啓 余寒なお厳しい折でございますが 皆様にはご健勝にてお過ごしのことと拝察申し上げます。
(①前文)
さて 来る◯月◯日は亡父◯◯の一周忌にあたりますので 左記のとおり心ばかりの法要を営みたく存じます。
ご多用中誠に恐縮でございますが ご参会賜りますようお願い申し上げます。
(②法要の案内と出席のお願い)
なお 当日は法要ののち 粗餐を差し上げたく存じます。 謹白
(③お斎の有無)
まずはご案内申し上げます。
平成◯年◯月◯日
施主 ◯◯◯◯
記
一、日時 ◯月◯日(◯)午前◯時より
一、場所 ◯◯県◯◯市◯◯ ◯-◯-◯ ◯◯寺本堂
ポイント:喪は明けているので「喪主」ではなく「施主」になります。お斎は法要の場所と違う場所で行う場合は店名やホテル名などを記載します。返信が必要な場合は期日とその旨を書いておきましょう。
※お齋(おとき)とは
お齋=法事や法要のあとの食事会のことをおときと言います。
仏教の場合は、法事・法要の際に、僧侶による読経のあと食事がふるまわれます。この食事をおとき(御斎・お斎とも書く)と呼びます。僧侶や参列者へのお礼の気持ちをこめたお膳であると同時に、一同で故人を偲ぶための行事です。
追悼(追善)法要
こちらの資料をご覧ください。年忌法要
こちらの資料をご覧ください。祥月命日
祥月命日は儒教からきた言葉で「しょうつきめいにち」と読みます。一周忌以降の、故人の亡くなった月日(命日)と同じ月日のことを指します。 また、毎月の命日と同じ日を月命日(月忌)と呼びます。 八月一日に亡くなったとしたら、毎月一日が月命日(月忌)、毎年八月一日が祥月命日となります。盆は正式には、 盂蘭盆(うらぼん)といいます。 一般的には8月13から16日までを「盆」と呼び先祖の霊を迎え、供養する期間です。亡くなってはじめて迎えるお盆を新盆(初盆)といい、 特に手厚く供養します。また、の忌明け前に盆を向かえた場合は、新盆は翌年になります。祥月命日と年忌法要
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌・・・などの年忌法要は、この祥月命日に行われます。 年忌法要の年にあたる祥月命日には親族などを呼び、法要の儀式を行います。月命日、祥月命日の供養
月命日には、故人の好物、新しいお花をお供えしてご冥福をお祈りしましょう。特に祥月命日は年忌法要にあたる年でなくてもお墓参り、 塔婆供養などで供養をしてあげましょう。祥月命日と弔い上げ
年忌法要は「三」と「七」のつく年の祥月命日に行われますが、 三十七回忌の次は五十回忌になります。 五十回忌以降は五十年ごとに行います(法要とは参照)。一般的にはもしくは五十回忌で「弔い上げ」とし年忌法要は終了するケースが多いですが、 その後も、法要の儀式はなくとも、月命日(月忌)、祥月命日には故人の供養を行いたいものです。「祥」という字は「さいわい」とも読みます
凶服を去って吉服になるという意味でつけられているのです。また、死者を神として祭ることから「めでたい」ともされます。
香典袋 表書きの種類
仏式:四十九日法要以前は「御霊前」、四十九日法要以後は「御仏前・御佛前」
仏教では亡くなってから四十九日間は閻魔大王による裁きが行われるとされています。したがって、四十九日法要以前はまだ「霊」から「仏」にはなっていないので、四十九日より前は「御霊前」、四十九日より後は「御佛前」とするのが正しいです。
お盆の行事
お盆の行事は、一般的に7月(新暦のお盆)または8月(旧暦のお盆)に行なわれます。(旧暦または新暦の7月15日頃。旧暦の7月15日は現在の8月15日頃になります)
・13日…迎え火。死者を家に迎えます。
・16日…送り火。死者を送ります。
・お墓の掃除とお墓参り。
・精霊棚(しょうりょうだな)・盆棚(ぼんだな)を飾る。
・盆提灯を飾る。
・僧侶を呼び供養の法要を行なう。特に初盆・新盆の場合
初盆・新盆の法事、法要
初盆・新盆とは、告別式を終え四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆のことを言い、「はつぼん・にいぼん」と読みます。四十九日よりも前にお盆が来た場合には、初盆の法要は翌年に行ないます。
親族、知人、友人などを招き、僧侶による読経、遺族及び参列者による焼香のあと、精進料理でおもてなしをします。
僧侶も忙しい時期ですので、1ケ月以上前に予約を入れることをおすすめします。
[精霊棚について]

ご先祖を供養する気持ちが大切だと思いますので、しきたりどおりにこだわる必要はないと思います。一般例をご紹介します。
◆精霊棚は、いつ頃飾るか
8月12日ころに飾ります。
位牌を仏壇から取り出し、仏壇の扉は閉めて、その前に飾り付けをします。
◆まずは棚をしつらえる
本来は、笹の支柱に真菰(まこも)の綱を張り、棚を作った上に真菰を敷いて作りますが、四本足の小机に白布を敷いて代用しても良いと思います。小机の後方のニ本の足にそれぞれ少し背の高い笹をくくりつけるとニ本の支柱ができます。そこに綱(つな)をわたし、盆花をさかさにつるします。
(※4本の支柱を作る地域もあります。その場合は、四方に綱を張り、結界を作るとされています。)
◆盆花を飾る
盆花として綱に逆さに吊るす草花の種類は、地方によってさまざまです。ほおずき、栗の葉、ガマの穂、枝豆、里芋、粟(アワ)、桔梗、みそはぎなど。
つるさずに、花立てに盆花を飾るだけの地域もあります。
◆いよいよ棚の上の飾りつけ
中央にはご位牌を飾り、その前に仏茶器、仏飯器、高杯、さらにその前に燭台、香炉、鈴などをかざります。 最前列には旬の食べ物や供物をかざります。
◆お盆のお供物いろいろ
お盆のお供物のなかに「水の子」というものがあります。これはナスをサイの目に切ったものを蓮の葉にかざったもの、あるいは、洗った米にキュウリとナスのサイの目切りを混ぜたものを、蓮の葉に飾ったものです。蓮の葉が無ければ、お椀でも良いでしょう。サイの目切りのナスや米は、百八つの煩悩を表わすと言われています。
◆胡瓜の馬と茄子の牛を手作り

ナスの牛は、滞在後は牛に乗ってなるべくゆっくりお帰り下さいという気持ちを表わしています。
真菰(まこも)というイネ科の植物で編んだ馬や牛を飾る地方もあります。真菰(まこも)は、出雲神社のしめ縄にも使われ、古くから神事、仏教行事のいずれにも用いられ、古事記や日本書紀などにも登場します。特に仏教ではお釈迦様が真菰で編んだ筵(むしろ)に病人を寝かせ治療したという説話がら、盆舟、盆ゴザにも用いられます。
◆盆提灯
お盆に、霊が迷わず戻って来られるように、目印として飾ると言われています。 盆提灯には、初盆・新盆用の「白提灯」と、それ以降に用いる「絵柄の入った提灯」の二種類があります。
盆提灯は、親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。
初盆・新盆用の白提灯は1つだけあれば良いでしょう。玄関先(あるいは、縁側の軒先などの、危なくない場所)に飾ります。

お盆が終わった白提灯は、送り火で燃やしたり、菩提寺に供養をお願いしたりします。
事前に、お寺に確認すると良いでしょう。絵柄の入った提灯の方は毎年使いますので、ホコリを払い、良く拭いて箱に入れて保管します。素材によっては、防虫剤を入れて下さい。
■法事・法要の準備(遺族側)
お寺の手配、引出物の手配、食事の手配などを行ないます。
地方により、7月に行なう場合と8月に行なう場合があります。
■お盆の日程
~1ケ月以上前 までに |
◎お寺の手配 お盆期間はお寺も大変忙しい時期です。 僧侶のご都合を聞き、予約を入れます。 |
~12日までに | ◎購入・組み立て [初盆・新盆の場合] 灯篭、盆提灯の購入、 精霊棚の組み立て、 お供物の準備など ・提灯を箱から出したり、棚を組み立てたりします。 まだ飾り付けはしません。 ・新しいロウソクやお線香など、必要なものは、この日までに購入しておきます。 ・迎え火や送り火のときに用いる松の割り木なども購入しておきます。 [2年目以降] 精霊棚の組み立て、お供物の準備など |
13日 | ◎お迎えの日(迎え火を焚く日) [午前中]精霊棚の飾り付け、 お供物・供花をします。 ・仏壇から位牌を出し、精霊棚の中央に置きます。仏壇の扉は閉じておきます。 ・精霊棚の飾り付けや、お供物や盆花をお供えします。 [日中] ・お墓参り ・お墓まで霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。 できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。 [夕方] ・迎え火を焚く ・提灯に火を灯す ・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。 ・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して持って来た場合を除く) |
14~15日 | ◎お墓参り [法要と会食] ・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。 ・初盆に僧侶を呼んで読経を行なう法要は、14日または15日に行なわれます。 ・霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。 |
16日 | ◎お送りの日(送り火を焚く日) [午前中] ・最後のお供えものをする 家で過ごす最後の朝なので、心をこめてお祈りをします。 [夕方] ・送り火を焚く また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。 ・初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。 |